2025年8月6日
米国株式市場は、予想を下回るサービス業データを受けて、貿易関税や景気の持続力に対する懸念が再燃し、昨夜は小幅に下落しました。
- S&P500は0.5%安
- ナスダックは0.65%安とアンダーパフォーム
- ダウ平均は0.14%安の44,111と比較的堅調に推移
このデータは、サービス業という米国経済の成長を支える重要な分野に対する関税不透明感の影響を改めて浮き彫りにし、市場は最近の上昇が持続可能かどうかを見直す展開となりました。
雇用統計後の利回り低下を経て国債利回り安定
債券市場では、米雇用統計後に利回りが下落していましたが、昨日は下げ止まりました。
- 2年債利回りは4.9bp上昇の3.724%
- 10年債利回りは1.8bp上昇の4.210%
この小幅な反発は、インフレ圧力と成長鈍化のバランスを市場が消化する中で、利下げ期待が安定しつつあることを示唆しています。
米ドルは堅調も、市場はデータ依存姿勢
ドル指数(DXY)は0.02%高の98.77と小動きにとどまり、市場が様子見姿勢を強めていることを示しました。トレーダーはFRBの今後の方向性を前に積極的なポジションを控えています。
コモディティ市場はまちまち
商品市場の動きはまちまちとなりました。
- 原油価格は需要懸念から下落を拡大
- ブレント原油は1.5%安の67.67ドル
- WTIは1.67%安の65.18ドル
- 金は0.21%高の3,379.72ドルと小幅上昇し、リスク回避ムードを反映
イングランド銀行に注目
市場の注目は、明日のイングランド銀行(BoE)の政策会合に移ります。市場のベースケースは25bpの利下げですが、見方は定まっていません。
- 英国の失業率は4.7%に上昇
- インフレ率は3.6%で高止まり
Spec FXは以下のような3つに分かれる投票を予想しています:
- 据え置き 2票
- 25bp利下げ 5票
- 50bp利下げ 2票
市場の反応はベイリー総裁の発言トーンに左右される見通しです。ハト派寄りであればポンド安要因となり、逆にタカ派的な意見や追加緩和に慎重な姿勢が示されればポンド高につながる可能性があります。
本日の経済指標は少ないがリスクイベントは潜在
本日のマクロ指標は比較的少ないですが、注意は必要です。
- NZ雇用統計:雇用は-0.1%、失業率は5.2%に上昇
- 米国時間には以下を予定
- 原油在庫統計(週間)
- コリンズ、クック、デイリーFRB高官の発言
FRBの利下げ期待が揺れる中、わずかな発言トーンの変化でも市場のボラティリティが高まる可能性があります。
Spec FXの見解
現在の市場ムードは慎重さが前面に出ています。成長、インフレ、中銀対応に関する相反するシグナルを投資家が天秤にかける中、乱高下する展開が続くと予想されます。特に金利差や商品市況に敏感な為替ペアでは、引き続き不安定な値動きに注意が必要です。
📌 GBP、JPY、金、原油のリアルタイム分析やテクニカル水準については、Spec FXのデイリーレポートとトレードアイデアをご参照ください。