パウエル発言控え米国株小幅安 – S&P500は0.4%下落

2025年8月22日

米国株式市場は、ジャクソンホール・シンポジウムでのパウエルFRB議長の講演を前に投資家が慎重姿勢を取る中、軟調に推移しました。議長が利下げ期待を強調するのか、それとも抑制するのか不透明感が残り、リスク選好は限定的でした。

ダウ平均は0.34%安の44,785、S&P500は0.40%安の6,370、ナスダックは0.34%安の21,100となりました。

債券市場でも同様に警戒感が表れ、利回りは上昇。2年債利回りは4.4bp上昇の3.791%、10年債は3.7bp上昇の4.328%となりました。一方、ドルは堅調に推移し、ドル指数(DXY)は0.44%高の98.65を記録しました。

商品市場では、ウクライナ和平協議の停滞を受けて原油価格が上昇。ブレント原油は1.11%高の67.58ドル、WTIは1.18%高の63.45ドルとなりました。一方で金は軟調となり、0.29%安の3,338.71ドルと下落。投資家がディフェンシブなヘッジを縮小したことが背景です。


パウエル発言が重要な理由

数か月にわたり、市場は9月の利下げをほぼ確実視してきました。これは雇用統計の弱い結果や過去データの下方修正を受けてのもので、一時は期待が100%近くに達しました。

しかし、直近のFOMC議事要旨や当局者の発言により、その確信度は後退し、現在は75%程度に低下しています。

このため、パウエル議長の発言が極めて重要となります。

  • 9月利下げを支持し、年末にかけての追加緩和を示唆すれば → 株式市場は大きく反発する可能性。
  • 逆に積極的な利下げ観測を牽制すれば → 市場は急速な修正を迫られ、株式は調整局面、ドルは一段高となる可能性。

注目の経済指標カレンダー

ジャクソンホール以外では、発表予定は比較的限られています。

  • アジア:日本のコアCPIが朝方に発表。
  • 欧州:ドイツのGDP発表。
  • 北米:カナダの小売売上高(総合+1.3%予想、コア+0.9%予想)。

ただし、いずれのデータもパウエル発言の影響を覆すほどの材料にはならず、秋に向けた世界市場の方向性を左右するのはやはりパウエル議長の発言と見られています。


Spec FXの見解

Spec FXでは、本日のジャクソンホールでのパウエル議長発言は、短期的な市場の方向性を決定づける重要イベントと考えています。株式・債券・為替のいずれにおいてもボラティリティが高まる可能性があり、トレーダーは十分な警戒が必要です。市場は現状、ポジションを抑制しており、今後数か月の政策期待を大きく左右しかねないシグナルを前に、慎重な姿勢が続いています。