今週の展望:CPIとECBに注目集まる

Spec FX 週間市場見通し

先週は米国雇用統計の弱さを受けて年内追加利下げ観測が高まり、市場は荒い値動きで週を終えました。今週は経済カレンダー自体は比較的落ち着いていますが、注目イベントはいずれも重要です。米国CPIが最大の焦点となり、木曜日のECB政策決定も大きな注目を集めます。一方で、地政学的リスクも依然として不確実性要因となり、新たなボラティリティを引き起こす可能性があります。


注目すべき主要イベント

  • 米国CPI(米ドル)
  • ECB政策金利決定(ユーロ)
  • 英国GDP(英ポンド)

月曜日:静かなスタート

週明けは比較的落ち着いた展開となりそうです。主要な経済指標の発表は予定されていませんが、先週金曜日の弱い米雇用統計を受けた市場の反応が続く可能性があります。


火曜日:初動のシグナル

火曜日もトップクラスの経済指標は少なめです。アジアでは中国の新規融資データが発表され、地域市場のセンチメントを左右する可能性があります。欧州ではナーゲル独連銀総裁とシュレーゲルSNB副総裁の講演が、ユーロやスイスフランの値動きに影響を与えるかもしれません。


水曜日:週半ばの活発化

週半ばからモメンタムが強まります。アジアでは中国のCPIとPPIが発表され、成長やデフレリスクを占う材料となります。その後、米国では卸売物価指数(PPI)が公表されます。エネルギー市場では米国週間原油在庫が注目され、短期的なボラティリティを誘発しやすいイベントです。


木曜日:最大の山場

木曜日は今週で最も注目度の高い一日となるでしょう。

  • アジア時間では、RBNZ総裁の発言が注目材料。
  • 欧州ではECB政策金利決定が最大の焦点となり、その後のラガルド総裁の会見にも注目が集まります。
  • さらに、ECB決定のわずか15分後に米国CPIと週間新規失業保険申請件数が同時に発表され、為替・株式・債券市場全般に大きな値動きをもたらす可能性があります。

重要イベントが同日に集中することで、木曜日は世界市場にとって大きなボラティリティ要因となるでしょう。


金曜日:穏やかな週末へ

週末は比較的落ち着いた経済カレンダーです。ロンドン時間では英国GDPが注目され、米国ではミシガン大学消費者信頼感指数とインフレ期待が発表されます。先週金曜日のような大きな動きとは対照的に、落ち着いた週末を迎える可能性があります。ただし、地政学リスクやサプライズヘッドライン次第では波乱の展開となる可能性も残されています。


まとめ

今週は指標の数は少ないものの、CPIやECB政策決定といった内容の重みが市場に大きな影響を与える可能性があります。特に木曜日を中心にボラティリティが高まる見通しであり、トレーダーはリスク管理を徹底する必要があります。