利下げ期待で米国株上昇 – ナスダック0.9%高

2025年7月10日

米国株式市場は前回の取引で大幅に上昇しました。FOMC議事要旨の公表を受けて、FRBが金融緩和に動くとの期待が高まり、投資家心理を押し上げました。ホワイトハウスから再び関税に関する警告が出されたものの、投資家はインフレが鈍化しつつある中で利下げ観測に注目しました。

ハイテク株が再び上昇を主導し、エヌビディアは一時4兆ドルという驚異的な時価総額に到達。これを受けてナスダックは0.94%高で引けました。S&P500は0.61%高、ダウ平均も0.49%上昇しましたが、他の指数に比べるとやや出遅れました。

米国債利回りはハト派的なFRBの姿勢を受けて低下。2年債は4.8bp低下の3.843%、10年債は6.7bp低下の4.332%で引けました。ドルは主要通貨ペアに対してほぼ横ばいで、ドル指数(DXY)は荒い値動きの末、0.02%高の97.52となりました。

商品市場は全体的に安定。原油価格は高値圏で推移し、ブレント原油は0.06%高の70.11ドル、WTIは0.04%高の68.27ドルとなりました。金もレンジ内で上昇を続け、0.35%高の3,313.24ドルとなりました。


為替市場ではドルに注目

為替市場では、通商政策や中銀のシグナルを受けて今後のボラティリティ上昇に備える動きが広がっています。米ドルは今年に入ってから下落基調にあり、1月の高値110.17から今月初めには96.38まで低下しました。

多くの市場参加者は、現在の水準を重要な分岐点と見ています。関税問題の行方や米国インフレ期待の変化次第で、ドルは大きく再評価される可能性があります。今後、インフレ懸念が再燃すれば、年後半にドルが大きく反発する展開もあり得ます。


本日の経済カレンダーは比較的落ち着いた見通し

先行きを見ると、本日の経済指標は比較的少なく、落ち着いた一日になる見込みです。アジア市場はウォール街の上昇を受けて堅調に始まると予想されますが、中国の新規融資データ(予想:1兆9600億元)が公表されれば一時的に注目が集まる可能性があります。

欧州では発表が限られており、多くの市場参加者は地政学的ニュースに目を向けています。米国市場では、ニューヨークオープン直後に週間新規失業保険申請件数(予想23.6万件)が発表される予定です。その後、FRBのウォラー理事とデイリー総裁の発言も予定されており、今後の政策スタンスに関する追加的な示唆となる可能性があります。