先週の取引は、米国の独立記念日(7月4日)の祝日で市場参加者が少なく、比較的静かな展開で終了しました。しかし、今週は再び相場が動意づく可能性があります。市場の注目は、関税問題、主要中銀の政策決定、そして重要な経済指標へと移るでしょう。
本稿では、FX・株価指数・商品市場を取引する上で注目すべき主要テーマと、日ごとのハイライトを整理します。
全体感
関税を巡る緊張
カウントダウンが始まっています。トランプ大統領が7月9日に設定した関税発動期限は、今週最も注目すべき材料の一つです。直前での修正や延長の可能性も残されており、リスクセンチメントを一変させる要因となり得ます。
中央銀行の政策決定
オーストラリア準備銀行(RBA)とニュージーランド準備銀行(RBNZ)が政策金利を発表する予定で、さらなる緩和が意識されています。一方、米連邦準備制度理事会(FRB)は議事録を公表し、将来の金利動向やリスク評価に関する手掛かりが探られるでしょう。
注目の経済指標
今週は先週ほど指標発表は多くないものの、英国GDPやカナダ雇用統計など通貨の変動要因となり得る重要なリリースが予定されています。
日別のポイント
月曜日:嵐の前の静けさ
週明けは主要な経済指標や中央銀行の発言予定はありません。米国市場の参加者が連休明けで戻ってくるタイミングで、ポジション調整のフローが散見されるかもしれません。
火曜日:オーストラリアが主役
アジア時間ではRBAの政策金利発表が中心です。市場では25ベーシスポイントの利下げがほぼ織り込まれています。他にはカナダのIvey PMIの発表がある程度ですが、翌日の関税期限を控え、ポジション調整が活発化する場面も想定されます。
水曜日:スーパーレベルのイベント集中
ボラティリティが急拡大する可能性が高い一日です:
- 中国:消費者物価指数(CPI)、生産者物価指数(PPI)
- ニュージーランド:RBNZ政策金利(据え置きまたは追加利下げの思惑)
- 英国:イングランド銀行の議事要旨
- 米国:FRB議事録発表、そして関税期限
週の中で最も値動きが大きくなる可能性が高いタイミングです。
木曜日:一時的な小休止
アジア・欧州時間帯は主要な材料はありません。米国時間では週間新規失業保険申請件数と、FRB高官(ムサレム、ウォラー、デイリー)の講演が予定されています。
金曜日:週を締めくくる重要指標
欧州時間には英国GDP、米国時間にはカナダの雇用統計が発表されます。いずれもGBP、CADの大きな値動きを誘発するリスクがあるイベントです。
Spec FXからの取引アドバイス
以下のリスク管理ポイントを今週の取引に活用してください:
- ヘッドラインリスク発生時の追随エントリーは避ける
関税関連や中銀イベント前後は流動性が急減する場合があります。 - 相関資産のエクスポージャーを再確認
たとえばAUDとNZDは地域的な政策決定で同調しやすい傾向があります。 - 必要に応じてストップロスを拡大・ポジションサイズを縮小
- 米ドル資金フローの変化に注意
連休明けのリバランスで急なフローが発生する可能性があります。
最後に
今週は貿易政策の重要な節目と、主要中銀の決定が重なることで、複数のアセットクラスに再び活発なボラティリティが戻ってくるかもしれません。迅速な判断とリスク管理を徹底できるトレーダーにとっては、チャンスが生まれる局面です。
より詳細なマーケット分析や取引アイデアは、ぜひSpec FXをフォローして最新情報をお役立てください。
免責事項
本記事は情報提供のみを目的としており、投資助言を構成するものではありません。取引にはリスクが伴いますのでご注意ください。