2025年9月10日
ウォール街、記録的な上昇を継続
米国株式市場は一晩でさらに上昇し、S&P500とナスダックはいずれも過去最高値で引けました。ダウ工業株30種平均は0.43%高の45,711となり、S&P500は0.27%高の6,512、ナスダックは0.37%高の21,879を記録しました。
Spec FXの市場アナリストによると、今回の動きは米国のインフレ指標をめぐる不透明感にもかかわらず、投資家の信頼感が高まっていることを示しています。インフレは依然として政策期待の主要なカギとなっています。
国債利回りとドルが上昇
インフレ統計の発表を前に、米国債利回りと米ドルは強含みました。ドル指数(DXY)は0.31%高の97.77、2年国債利回りは7bp上昇の3.556%、10年国債利回りは4.4bp上昇の4.084%となりました。
Spec FXは、この慎重なポジショニングは予想を上回るインフレリスクに備える投資家のヘッジを反映しており、これがFRBの利下げペースを鈍らせる可能性があると指摘しています。
コモディティはまちまち:原油上昇、金は下落
地政学的緊張が再燃し、原油市場は上昇。ブレント原油は0.68%高の66.47ドル、WTIは0.69%高の62.70ドルとなりました。
一方、金は過去最高値から反落し、1オンスあたり0.25%安の3,625.81ドルで取引を終えました。強含む米ドルが重しとなりました。
Spec FXリサーチは、金は長期的には依然として強い支持を受けているものの、インフレ指標を前にトレーダーがポジションを調整する中で短期的な調整が見込まれるとしています。
米国インフレ指標に注目
今週はPPIとCPIが最大の焦点となっています。米国の雇用統計が軟調だったことから複数回の利下げ観測が強まり、先物市場では12月までに3回の利下げが行われる確率を61%と織り込みました。
- 生産者物価指数(PPI):前月比+0.3%予想
- 消費者物価指数(CPI):木曜日発表予定、FRB見通しの分岐点
Spec FXストラテジストは、インフレが予想を下回ればハト派的な見方が強まりドル安要因となる一方、強い数値となればリスク資産に慎重ムードが戻る可能性があると強調しています。
世界のマクロ経済カレンダー
- アジア:中国CPI(前年比-0.2%予想)、PPI(前年比-2.9%予想)が地域相場の方向感を決定
- 欧州:注目データは少ないものの、SNBシュレーゲル総裁の発言でスイスフランが動意づく可能性あり
- 米国:PPI発表と週間原油在庫。ただし市場心理はインフレ指標が主導
Spec FXの見解
市場は転換点を迎えており、インフレ指標がFRBの政策路線を決定づけ、ドルの方向性を形作ることになります。米国株はモメンタム買いの恩恵を受け続けていますが、債券市場と為替市場は慎重姿勢を示しています。
Spec FXは、今後数日間でボラティリティが一段と高まり、インフレ指標が年末に向けた世界的なリスク選好の決定的なカタリストになると予測しています。