米国株、FRBを前に上昇 – ナスダックが1%高で牽引

2025年9月16日

ウォール街、利下げ観測で続伸

米国株は一晩で上昇し、投資家は今週予定されるFRBの利下げに向けてポジションを積み増しました。ナスダック総合は0.94%高の 22,348 と過去最高値で引け、相場を主導。S&P500は 0.47%高の6,615、ダウ工業株30種平均は 0.11%高の45,883 でした。

この上昇は、FRBが金融緩和に舵を切るとの期待が高まり、世界市場での成長期待とリスク選好を押し上げていることを映しています。


国債利回り低下、ドルは軟化

米NY連銀製造業景況指数の弱さを受け、米国債利回りとドルは下落。2年債利回りは 1.9bp低下の3.537%、10年債は 2.7bp低下の4.037%。ドル指数(DXY)も 0.2%安の97.36 まで軟化しました。

ドル安は商品相場の追い風となり、ブレント原油は 0.67%高の67.43ドル、WTIは 0.89%高の63.25ドル。金は 3,678.99ドル と過去最高値を更新し、取引時間中には一時 3,685.39ドル を付けました。


英中銀会合を控え、ポンドに注目

世界の注目はFRBに集まる一方で、FX市場ではポンドの動きが焦点です。英国は今週、木曜日のイングランド銀行(BoE)政策発表を前に重要指標が相次ぎます。

  • 本日:雇用統計(失業率 4.7% 予想)
  • 明日:CPI(前年比 3.8% 予想)

MPC(金融政策委員会)は据え置きが大方の見方ですが、雇用・インフレ指標にサプライズが出れば、先行きの政策期待が変化する可能性があります。データが素早く織り込まれる中、ポンド関連はボラティリティ拡大に備える必要があります。


本日の主な注目指標

世界各地での経済指標がトレーダーの神経を試す一日となりそうです。

  • アジア:目立った上位指標は少ないものの、米株高を受けてセンチメントはリスクオン継続の見込み。
  • 欧州/英国:雇用関連に注目—求職者手当申請件数(+15.3千人 予想)、平均賃金(+4.7%(3カ月前年比) 予想)、失業率(4.7% 予想)。
  • 米国・カナダ:米小売売上高(前月比+0.2% 予想)とコア小売(+0.4% 予想)、カナダCPI(前月比0.0% 予想)およびトリム平均CPI(前年比3.0% 予想)。中央銀行イベントとあわせ、USD/CAD 周辺のボラティリティは一段と高まる見通し。

見通し

今週は各国中銀の政策決定が相場を方向づける分岐点。FRBの利下げ観測が株式・商品・為替のポジショニングを主導する一方、英国とカナダの指標は局地的な変動をもたらし、短期の取引機会を生む可能性があります。

投資家は、FRB・BoE・各種マクロ指標を前に、価格変動の拡大に備える必要があります。