米国株式市場は昨夜、ハイテク株が売りに押され下落しました。中でも Nvidia を中心とした大型株に売りが集中し、今週予定されている重要な FRB(米連邦準備制度理事会)のイベントを前に投資家がポジション調整を進めています。
ダウ平均は小幅高で 44,922(+0.02%) と底堅く推移した一方、S&P500は0.59%安の6,411、ナスダックは1.46%安の21,314 と下げ幅を拡大しました。市場全体では、投資家のリスク回避姿勢が鮮明になっています。
ドルは堅調、米国債利回りはFOMC議事録を前に低下
為替市場では、米ドルが主要通貨に対して上昇し、ドル指数(DXY)は 0.11%高の98.15 となりました。一方で、米国債利回りは低下。本日公表予定の FOMC議事録を控え、債券市場ではややハト派的なシグナルを織り込み始めています。
2年債利回りは1.5bp低下の3.748%、10年債は2.7bp低下の4.306% となりました。
商品市場では、ロシア制裁緩和の観測を背景に原油が売られました。ブレント原油は0.93%安の65.94ドル、WTIは1.43%安の62.51ドル。また、金価格も下落し、0.51%安の3,315.78ドルとなっています。ドル高と投資家心理の改善が重石となりました。
英CPIに注目 – ポンドの行方を左右
欧州市場では、最新の **英国消費者物価指数(CPI)**が焦点となります。インフレ率は依然として高止まりしており、雇用市場の軟化にもかかわらず **イングランド銀行(BoE)**への引き締め圧力は続いています。
市場予想は、前年比CPIが3.7%へ小幅上昇(+0.1%)。予想を上回れば BoEの緩和姿勢が後退しポンドを下支えする一方、予想を下回れば インフレ懸念が後退しポンド急落の可能性があります。
ポンド/ドル(ケーブル)は現在レンジ内で推移していますが、CPI結果次第で大きなブレイクにつながる可能性があります。
グローバル市場はイベント目白押し
本日の国際市場スケジュールは以下の通り:
- アジア: 中国の ローンプライムレート(LPR) は1年物 3.00%、5年物 3.50% と据え置き予想。さらに **RBNZ(ニュージーランド準備銀行)**が追加の 25bp利下げを決定する見通し。
- 欧州: 取引序盤は 英国CPIが最大の注目材料。依然として高水準の 3.7% y/y が予想される。
- 米国: 経済指標は比較的軽めで、**週間原油在庫統計(予想 -80万バレル)**が発表予定。最大の注目は FOMC議事録と、ウォラー理事およびボスティック総裁の発言となる見込み。
今週は各国の金融政策やインフレ指標が集中しており、為替・商品・株式市場におけるボラティリティ上昇が続く可能性が高いでしょう。
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