米国のハイテク株が好調な決算と貿易関連のポジティブなニュースに支えられ、ナスダックとS&P500指数が再び史上最高値を更新しました。特にAlphabetの好決算が投資家心理を後押しし、楽観ムードが広がっています。
市場の動き:ナスダックは+0.18%、ドル高が進行
ナスダックは前日比+0.18%、S&P500は+0.07%と小幅ながら上昇。一方、ダウは-0.70%と下落しました。米国債利回りは2年債が3.7bp上昇して3.917%、10年債は1.6bp上昇し4.396%となりました。
為替市場ではドルが堅調に推移し、DXY(ドル指数)は+0.3%の97.51に上昇。欧州中央銀行(ECB)が予想通り金利を据え置いたことを受けて、ユーロは下落しました。
商品市場では、ロシアが輸出削減を検討しているとの報道を受けて原油価格が上昇。ブレント原油は+1.23%の69.35ドル、WTIは+1.44%の66.19ドルで引けました。金価格はリスク回避の後退により-0.55%の3,368.15ドルまで下落しました。
注目は依然としてFRB(米連邦準備制度理事会)
来週はFRBによる政策金利発表が予定されています。市場は今回の会合での金利据え置きをほぼ100%織り込んでいますが、通常とは異なる政治的な圧力が注目されています。
トランプ大統領がFRB本部を訪れたことで、パウエル議長への圧力が再び注目を浴びました。現状の経済指標では利下げの正当性は薄く、もし来週の雇用統計が好調であれば、現在60%程度織り込まれている9月の利下げ観測も後ずれする可能性があります。市場では、Fed周辺の動きが引き続き注目されそうです。
今週末は静かな経済指標カレンダーだが、注目データも点在
本日は比較的静かなマクロ経済指標スケジュールとなっていますが、各市場時間帯で注目すべきデータがいくつか発表されます。
東京市場では、東京都区部のCPIが前年比2.9%と予想(3.0%)をやや下回りましたが、マーケットの反応は限定的です。
ロンドン市場では、英国の小売売上高(予想+1.2% m/m)に注目が集まり、その後はドイツのIFO企業景況感指数(予想89.1)へ焦点が移ります。
ニューヨーク時間には、米国の耐久財受注(予想-10.4% m/m)およびコア耐久財受注(予想+0.1% m/m)が発表予定。ただし、週末を控えて地政学的リスク関連のニュースフローが市場の注目を集める可能性もあります。
Spec FX視点:テクニカルよりもセンチメントが左右する局面へ
現在の市場環境では、企業業績やマクロ経済指標といった“ファンダメンタルズ”の影響に加え、政策や地政学的ニュースといった“センチメント”がより重要になっています。特に短期トレーダーにとっては、金利動向よりも政治的発言や地政学リスクへの反応のほうが市場のボラティリティを決定づける可能性があります。
Spec FXでは、こうした複合的な市場環境下でも安定したトレーディング戦略を構築するためのリサーチとアナリティクスを日々提供しています。