重要イベントを前に市場は下落 — ダウ平均は0.7%安

米国株式市場は木曜日に反落。投資家はFRB高官の発言やまちまちな経済指標、さらに取引終了後に控えた大型テック企業の決算を前に慎重な姿勢を強めました。ダウ平均は0.74%安の44,130ドルと大きく下落し、S&P500は0.37%安の6,339。一方、ハイテク株主体のナスダックはほぼ横ばいの21,122で取引を終え、相対的に健闘しました。

アフター・マーケットのテック決算が続く中、FRB当局者の「高金利長期化」発言も重なり、リスク選好は一段と後退しています。


ドル高トレンド継続、雇用統計が次の焦点に

米ドルは上昇基調を維持し、ドルインデックス(DXY)は0.24%高の100.06。週初からの上昇率は2.5%超に達しました。米国債利回りもわずかに上昇し、2年債利回りは3.957%(+1.7bps)、**10年債は4.374%(+0.4bps)**でした。

今夜発表される米雇用統計(NFP)がドルの次の材料になると見られています。市場予想は+10.6万人ですが、±3万人以上の乖離があれば、為替市場に大きなインパクトを与える可能性があります。

強い数字が出れば9月の利下げ観測が後退し、ドルは一段高となる可能性があります。DXYが100.54のレジスタンスを突破すれば、101.98を目指す展開も視野に入ります。

一方で、雇用者数が予想を下回ったり、失業率が上昇した場合には、ドルは反落し、利下げ観測が再燃する可能性も否定できません。


コモディティはまちまち:原油は反落、金は上昇

コモディティ市場は方向感に欠ける展開。原油は高値圏から反落し、ブレントは0.86%安の71.85ドルWTIは1.06%安の69.26ドル。貿易関税に関する発表を前に、投資家は様子見姿勢を強めています。

金は0.45%高の3,289.07ドルと上昇。リスク回避の資金流入が限定的ながらも支援要因となりました。


週末に向けた重要イベント:雇用統計と関税が鍵

週末にかけての注目は、米雇用統計と貿易関税に関する発表です。これらがニューヨーク時間後半に予定されており、それまでのアジア〜欧州序盤は様子見ムードが続くと見られます。

ただし、欧州時間初頭にはユーロ圏CPI速報値が控えており、こちらも一定の注目を集めそうです。市場予想は**総合+1.9%、コア+2.3%**となっています。

同時に発表される**ISM製造業景況指数(予想49.5)も見逃せませんが、メインイベントはやはり雇用統計(NFP)**となるでしょう。


まとめ:波乱含みの金曜日、注目は米経済指標

今週最後の取引セッションは重要指標と政策リスクが重なることで、大きな値動きとなる可能性があります。強い雇用統計と貿易関税の明確化があれば、ドル高・株安の流れが加速するシナリオも視野に入ります。

市場の注目は米雇用統計に集中 — サプライズがあれば、金曜日の終盤は激しい展開になるでしょう。