Spec FX マーケットインサイト | 2025年8月5日
先週金曜日に発表された予想外に軟調な米雇用統計を受けて、今週の米国市場は勢いよくスタートしました。市場では早期利下げの期待が急速に高まり、リスク資産が買われる展開に。米国株は大幅上昇、米国債利回りは低下し、ドルは再び下落。ここ最近で最も力強いセッションとなりました。
🔼 ナスダックが主導、S&Pとダウも大幅上昇
主要3指数はそろって上昇:
- ナスダック:+1.95%、21,053ポイント
- S&P500:+1.47%、6,329ポイント
- ダウ工業株:+1.34%、44,173ポイント
特にテクノロジー株が買われ、利回り低下と金融緩和期待が成長株を後押し。投資家のセンチメントは「高金利長期化」から「秋に利下げ」へと急速にシフトしています。
🏦 債券市場も利下げを織り込み始める
債券利回りも下落傾向:
- 2年債利回り:-0.7bps → 3.675%
- 10年債利回り:-2.4bps → 4.192%
市場では9月のFOMCでの利下げ確率が90%以上にまで急上昇。わずか数週間前までは「利上げ長期化」が支配的な見方でしたが、状況は一変しました。
💵 ドル下落継続、商品市場は明暗分かれる
ドル指数(DXY)はさらに0.42%下落し、98.72に。前週のドル高局面を完全に巻き戻す動きとなりました。
コモディティ市場では明暗が分かれました:
- ブレント原油:-1.39%、$68.70
- WTI原油:-1.65%、$66.23
- 金価格:+0.30%、$3,372.94
ドル安と利回り低下を受けて金は堅調に推移。一方、原油価格は供給過剰懸念で続落しています。
⚠️ ドルのボラティリティは続く可能性
先週のドル相場はまさに“ジェットコースター”状態。週初は貿易改善とFRBのタカ派スタンスを背景にドルが急騰しましたが、金曜日の雇用統計発表後に一転急落。
現在の市場は2つの力が拮抗しています:
- 利下げ期待 → ドル安圧力
- 世界的な貿易改善 → ドル下支え要因
Spec FXのアナリスト陣は、今後数日間は為替市場での乱高下が続くと予想しています。特にUSD/JPY、EUR/USD、XAU/USDは要注目です。
⏳ 注目はISM非製造業PMI
本日の経済指標は少なめですが、注目は米国のISM非製造業PMI。市場予想は51.5(前月は50.8)。上振れすればドルや株式に短期的なボラティリティをもたらす可能性がありますが、相場の大局は以下の要因が左右するでしょう:
- FRBの政策修正の行方
- 地政学的リスク
- グローバルな投資心理の変化
アジア市場は米国の好調な動きを引き継いで堅調スタート。欧州ではPMI最終値が発表されますが、サプライズは少なそうです。
📌 Spec FXからの一言
マーケットのストーリーはまたしても変化しました。FRBの動きが不透明な中、トレーダーは柔軟に対応する必要があります。株式市場は上昇モメンタムを保ちつつも、為替とコモディティ市場では戦略的な短期トレード機会が増える可能性があります。
Spec FXでは今後もマクロ経済指標・中央銀行動向・リスク要因を追跡しながら、実践的かつ鋭い市場インサイトをお届けしてまいります。
🧠 情報を力に。戦略的に動け。