Spec FX マーケット・インサイト
米国株は昨夜、予想通りのインフレ指標発表を受けて続伸し、9月の米連邦準備制度理事会(FRB)利下げ観測が一段と高まりました。
ナスダック総合指数は+1.4%の上昇で相場を牽引し、S&P500は+1.13%、ダウ平均も+1.1%と堅調な動き。S&Pとナスダックはいずれも過去最高値を更新し、リスク選好ムードの回復を示しました。
CPIが利下げ観測を後押し
最新のCPI(消費者物価指数)は予想と一致し、米ドルの上昇圧力を和らげる結果となりました。これを受けて市場はFRBの政策見通しを再評価し、**米ドル指数(DXY)**は0.43%下落して98.10へ。
米国債市場ではより落ち着いた値動きとなり、2年債利回りは3.7bp低下の3.731%、10年債利回りはわずか0.4bp上昇の4.289%に留まりました。
コモディティ:原油は下落、金はレンジ内
原油価格は、米国需要の鈍化懸念と先週のトランプ–プーチン会談による地政学的影響で下落。
- ブレント原油:-0.72%の66.12ドル
- WTI原油:-1.32%の63.06ドル
金価格は動意薄で、3,346.64ドル/オンスと小幅高に留まり、次の材料待ちの展開となりました。
豪ドルの焦点:雇用統計に注目
豪ドルは、オーストラリア準備銀行(RBA)が予想通り政策金利を25bp引き下げ3.60%とした後も注目を集めています。
昨日発表の賃金価格指数(WPI)は前期比+0.8%と予想通りでしたが、市場の関心は木曜日発表の雇用統計に移っています。市場予想は就業者数+2.5万人増、**失業率4.3%→4.2%**への低下。予想を外れる結果となれば、直近のボラティリティ上昇も相まってAUDは大きく動く可能性があります。
さらに、本日には大型オプションの満期が控えており、流動性が低下すれば価格変動が一段と拡大するリスクもあります。
今後の注目ポイント
本日は欧州からの主要経済指標の発表はなく、アジア時間も豪ドル絡みのフローを除けば比較的静かな展開が予想されます。米国時間には原油在庫統計が発表予定で、夏の終わりに向けた需給動向が注目されます。
また、FRB高官のバーキン氏とグールズビー氏の発言も予定されており、インフレや9月の政策スタンスに関する新たな見解が示されれば、市場反応が出る可能性があります。
Spec FXの見解:
市場は依然としてデータ依存の状態にありますが、現時点ではリスク選好が優勢です。中央銀行の発言や重要経済指標の結果次第で、市場ムードが急速に変化する可能性があるため、引き続き注意が必要です。