米国株式市場は昨夜も上昇し、予想を上回るGDPデータが投資家心理を押し上げ、主要指数を再び史上最高値圏へと導きました。ダウ平均株価は0.16%高の45,636、S&P500は0.32%高の6,501、そしてナスダックが0.53%高の21,705と主要指数の中で最も強い動きを見せました。
米ドルは軟調が続き、ドル指数(DXY)は0.36%安の97.87へ下落。市場は引き続き9月のFRB利下げを織り込みつつあります。債券利回りはまちまちで、2年債利回りは**3.629%へ小幅上昇した一方、10年債利回りは4.203%**へ低下しました。
コモディティも概ね堅調で、ブレント原油先物は0.41%高の68.33ドル、WTI原油先物は0.70%高の64.60ドルとなりました。トランプ大統領によるウクライナ情勢の新たな発表を前に、エネルギー市場はやや引き締まった展開です。金価格も安全資産需要を背景に0.58%高の3,417.08ドルと5週間ぶりの高値を更新しました。
ファンダメンタルズが主役に回帰
ここ数か月、市場は地政学リスクや関税を巡る不透明感に翻弄されてきましたが、徐々にファンダメンタルズが主導権を取り戻しつつあります。関税の影響と規模に対する見通しが明確化する中、投資家は再び経済データに基づいて金利見通しやポジション調整を進めています。
米国経済指標は依然として9月利下げ観測を支持していますが、今夜発表されるコアPCEデフレーターが決定的な要因となりそうです。強い数字が出れば利下げの織り込みが一段と進む一方、弱い結果となれば為替・金利・株式市場全体で大きな値動きが生じる可能性があります。
後半戦に向け、市場は見出しリスクよりも経済の基礎データに重きを置く展開となりそうです。
インフレ指標に注目
本日は世界各地域でインフレ関連データが相次ぎます。
- アジア:東京コアCPIは前年比**+2.5%**と予想通りで、前月からやや鈍化したものの、日銀の短期的な引き締め期待を依然として後押ししています。
- 欧州:注目はドイツ各州のCPI(予想0.0%)とスペインの速報CPI(予想**+2.8%**)。ユーロ相場に影響を与える可能性があります。
- 米国:最大の注目材料はFRBが重視するコアPCE(予想+0.3% m/m)。同時刻にカナダGDPも発表され、その後にはミシガン大学消費者信頼感指数やインフレ期待が続きます。
とはいえ、今夜の主役はPCEであり、週末にかけての市場の方向性を決定づける指標となるでしょう。