Spec FX 週間市場見通し
今週のグローバル市場はイベントが目白押しとなり、焦点は一貫して米国の雇用関連データに向けられます。週を通じて複数の労働市場指標が発表され、金曜日には最大の注目材料である**米雇用統計(NFP)**が公表されます。
市場ではFRBによる数週間以内の利下げ観測が強まっており、今回の結果は厳密に精査される見通しです。よほど強い数値が出ない限り、25bp利下げへのコンセンサスが崩れる可能性は低いでしょう。
一方アジアでは、週明けに中国PMIの発表や、米国の関税を巡る控訴裁判所の判決(多くが違法と認定)が材料視されました。これらの要因は、寄り付きでギャップを伴う値動きを引き起こす可能性があります。
日別プレイブック
9月1日(月)– 落ち着いたスタート
今週は小粒な指標が中心で静かな幕開けとなります。米国とカナダ市場が祝日で休場のため、後半は流動性の低下が予想されます。
9月2日(火)– ユーロ圏CPI速報値と米国製造業指数
ロンドン早朝にはユーロ圏コアCPI速報値に注目。その後は米国に焦点が移り、週初めの重要指標としてISM製造業景況指数が発表されます。
9月3日(水)– 豪州GDP・ECB・英国公聴会
アジア時間には豪州Q2 GDPおよびRBAブロック総裁の発言が予定されています。欧州ではECBラガルド総裁のスピーチ、続いて英国中銀の金融政策報告公聴会が注目されます。米国ではJOLTS求人件数が発表され、さらにカシュカリFRB総裁の発言が見込まれます。
9月4日(木)– スイスCPIと米国雇用関連指標
欧州時間にはスイスCPIが主要材料に。米国ではADP雇用統計と新規失業保険申請件数が同日に発表され、さらにISM非製造業景況指数も公表予定。加えてウィリアムズ総裁とグールズビー総裁の発言にも注目です。
9月5日(金)– 米国雇用統計(NFP)
週のハイライトである米雇用統計(NFP)・失業率・平均時給が発表され、市場センチメントを大きく左右します。同日には英国小売売上高、カナダ雇用統計およびIvey PMIも予定されていますが、主導するのは間違いなく米国の雇用データとなるでしょう。
今週の主要ポイント
- 米国雇用統計(USD)
- 豪州GDP(AUD)
- スイスCPI(CHF)
総括
FRBの利下げ観測が高まる中で、今週は雇用関連指標が市場を方向づける決定的な役割を果たすと考えられます。豪州・スイス・英国からの経済指標も地域ごとの材料として注目されますが、世界的に市場の注目を集めるのは金曜日の米国雇用統計であることに疑いはありません。