2025年7月8日
米国株式市場は昨日大幅下落しました。トランプ大統領が日本と韓国からの輸入品に対して追加関税を課す方針を発表し、投資家心理が悪化。主要株価指数は幅広く売られました。
ダウ平均は0.94%安と下げを主導し、S&P500は0.79%安、ナスダック総合指数も0.92%安となり、追加の政策サプライズへの警戒感が高まりました。
為替市場ではドルが急伸し、特に円が大きく売られました。ドル指数(DXY)は0.37%高の97.54で引けました。
米国債利回りもドル高と歩調を合わせて上昇。2年債利回りは1.3bp上昇の3.893%、10年債利回りは3.4bp上昇の4.379%となりました。
商品市場はまちまちの展開。OPEC+の増産懸念が残る中でも需要堅調観測から原油は上昇し、ブレント原油は1.90%高の69.59ドル、WTIは1.42%高の67.95ドルに。金は一時下落後に持ち直し、ほぼ横ばいの3,335.85ドルで引けました。
関税相場戦略:短期取引と長期投資
過去9か月、米国の関税関連ヘッドラインは市場のボラティリティを決定づける要因となってきました。今後も不透明感が続くことを念頭に置く必要があります。
短期的には、トランプ大統領の発言が相場を大きく揺さぶる環境が続いており、日中取引では数時間でセンチメントが激変する可能性があります。指数、為替、商品全般で急激な値動きが生じるため、リスク管理と規律が重要です。
一方、長期投資家は安定した貿易枠組みがいつ、あるいは本当に実現するのかに注目しています。合意が成立すれば、関税が経済や企業収益に与える構造的影響をより正確に評価できるようになり、中長期的なポジショニングがしやすくなるでしょう。
今後数日の最大の課題は、予測不能な値動きに巻き込まれないようにしつつ、大きな値動きを逃さないことです。政策環境が明確になるまでは、ニュースヘッドラインが相場を左右し続けると考えられます。
本日も関税ニュースが市場を支配
本日のマクロ指標発表はやや増える見通しですが、関税関連ニュースが引き続き市場の焦点となりそうです。
アジア時間はウォール街の下落とトランプ大統領のアジア貿易政策発言を受け、弱含みでスタートする見通しです。その後、豪州ではRBA(豪準備銀行)が政策金利を25bp引き下げると広く予想されており、市場は95%織り込み済み。発表後は豪ドルの大きな値動きが見込まれます。
欧州市場では予定された経済指標は限られており、関税関連のヘッドラインに反応しやすい展開となるでしょう。北米時間ではカナダのIvey PMIが予定されていますが、関税ニュースに比べれば影響は限定的と見られます。
世界的な貿易環境が流動的な中、トレーダーはニュースヘッドラインによる急変動に備え、引き続き警戒を怠らない必要があります。