米国株式市場は昨晩も大幅に上昇し、主要3指数が揃って堅調な伸びを示しました。最新の労働市場データが予想を下回り、雇用の減速懸念が強まったことが背景です。ADP雇用報告は予想を下回り、新規失業保険申請件数は増加。今夜発表予定の注目の米雇用統計(Non-Farms)を前に、市場は一段と減速を意識しています。ダウ平均は0.77%高の45,621、S&P500は0.83%高の6,502と過去最高値を更新、ナスダックは0.98%上昇し21,707となりました。
債券市場も強く買われ、利回りは4カ月ぶりの低水準へ。2年債利回りは2.9bp低下の3.587%、10年債は5.6bp低下の4.161%となりました。ドルはその動きにもかかわらず底堅く推移し、DXYは0.13%上昇の98.27。原油は在庫の急増を受け下落し、ブレントは1.18%安の66.80ドル、WTIは1.05%安の63.30ドル。金は急騰の動きを一服させ、0.38%安の3,545.82ドルとなりました。
今夜の米雇用統計に注目
トレーダー達は今夜の米国雇用統計発表に向けて緊張感を強めています。今週公表されたJOLTS求人件数、ADP雇用報告、新規失業保険申請といった労働関連指標はいずれも労働市場のひずみを示しており、FRBの早期利下げ観測を一段と高めています。
今夜の雇用統計が弱い結果となれば、ドルは下落し、ユーロ・ポンド・豪ドルが主要サポート水準から反発する展開も考えられます。一方で、強い結果となれば市場のポジションを逆手に取り、ブレイクや大きな値動きを誘発する可能性もあり、いずれにせよ週末に向けて波乱含みとなりそうです。
NFP発表・金曜の焦点
アジア時間は目立った指標がなく、市場はもみ合い基調が続く見通しです。その後ロンドン時間には、英国小売売上高(前月比+0.3%予想)が発表されます。そして本番はニューヨーク市場が開くタイミング。米雇用統計の市場予想は非農業部門雇用者数+7.5万人、平均時給+0.3%、失業率は4.3%に上昇見込みです。
同時刻にはカナダの雇用統計(雇用者数+4.9千人、失業率7.0%)も発表され、カナダドルの動きを複雑化させる可能性はありますが、注目すべきは何と言っても米国の数字です。