米国市場、インフレ低下で分かれる動き – ダウは0.5%安

米国株式市場は昨夜まちまちの展開となりました。PPIが予想を下回り、年内利下げ観測が一段と強まったためです。ダウは0.48%安の45,490で引けた一方、S&PとナスダックはAI熱狂に押され再び最高値を更新。オラクルは驚異的な36%急騰を演じ、S&Pは6,532、ナスダックは21,886で取引を終えました。

利回りはデータを受け低下し、2年債は1.2bp下げて3.544%、10年債は3.9bp下落して4.045%。一方ドルは底堅く、DXYは0.02%高の97.81。商品市況は堅調で、ブレント原油は1.66%高の67.49ドル、WTIも1.64%上昇の63.66ドル。地政学リスクを背景に金も買われ、安全資産需要から0.39%高の3,640.38ドルと史上最高値に迫りました。

CPIが本日の焦点

PPIの弱さを受け、市場は年内75bpの利下げを織り込み、来週の25bp利下げ確率は92%まで上昇。今夜のCPIが真のゲームチェンジャーとなり得ます。予想はヘッドライン・コアともに前月比+0.3%、前年比+2.9%。数字が弱ければ3回利下げ観測を後押しし、利回り・ドルは下押し圧力に。逆に粘着性の強い結果となれば、その観測が後退し相場は急反転する可能性があります。

「パワーの1時間」が控える

ロンドン・ニューヨーク時間のクロスオーバーに重要イベントが集中。アジアではRBNZのホークスビー副総裁が講演、その後は大きなヤマ場に突入します。ECBの政策発表が米CPIのわずか15分前、同時刻には米新規失業保険申請件数も公表され、さらに15分後にはECB会見が控えます。とりわけEURUSDは荒れる展開が予想され、まさに「パワーの1時間」となりそうです。