米国株式市場は、予想を上回るインフレデータを受けて、利下げ期待が後退し、まちまちの値動きで取引を終えました。中でも中国との貿易協議進展への期待がテクノロジー銘柄を支えた一方、全体としては「利下げは遠のいた」との見方が支配的で、長短金利が揃って上昇。ドルは15週ぶりの高値をつけ、市場心理に大きな影響を及ぼしました。
以下では、今回の市場動向と今後の注目ポイントを解説します。
📉 株式市場:ダウ大幅安、ナスダックは堅調
ダウ平均は0.98%安と大幅下落。S&P500も0.40%安で取引を終えました。一方、ナスダックは0.18%高と小幅ながら上昇を確保。
セクター別では、中国との貿易合意に対する期待が一部の大型テクノロジー銘柄を支え、金利上昇の影響を相殺。しかしインフレ指標を受けて「9月利下げ観測後退」が全体の重しになりました。
💵 ドル、強気回復—DXYは98台へ
ドルはCPI発表後、大きく買い戻され、ドル指数(DXY)は0.57%上昇し98.64へ。7月に入ってから約**2.25%**上昇しており、勢いを加速させています。
ポイントは以下の通り:
- CPIは5か月ぶり最大の伸びを記録し、金利先物市場で利下げ期待が急低下
- 9月利下げの織り込みは50%程度に縮小
- ドル/円は15週ぶり高値を更新し、次のターゲットは200日移動平均149.70円
今夜発表されるPPIも上振れすれば、さらなるドル高・円安進行が視野に入ります。
📈 米国債利回りは6週ぶり高水準
金利市場も即座に反応:
- 2年債利回りは3.940%(+4bp)
- 10年債利回りは4.481%(+4.8bp)
利下げ時期の不透明感から、イールドカーブ全体が押し上げられています。特に短期金利の上昇は株式のバリュエーション圧迫要因です。